「アンタと一緒に過ごすうちに、もう一度人を信用しようって思えたんだ」



「拓磨くん……」



「アンタを好きになってよかった」



私、拓磨くんになにもしてあげられていないって思ってたけど、そんなことなかったんだ。
ちゃんと拓磨くんに希望を与えられてたんだ。



「俺、アンタのこと手放すつもりないから。別れてって泣きついても絶対に離してやんない」



「……ふふ、絶対そんなこと言わないよ!大好き、拓磨くんっ」



私は嬉しくて拓磨くんの腰に腕を回して、抱きしめた。



あぁ、幸せだ。
好きな人と想いが通じ合うってこんなにも幸せなことなんだ。



大好きな人とこうやって触れ合えることがこんなにも幸せだなんて。



やっと、拓磨くんと通じ合うことが出来た。
まさかこんな日がくるなんて……思ってなかった。



「……そろそろ帰ろっか」



「うんっ!」



拓磨くんの手に自分の手を重ね、夕日の方へと歩き出した。



ふと、横を見ると拓磨くんの横顔が夕日に照らされている。



えへへ、すっごく幸せ。
ずーっと拓磨くんとこんな風に手を繋いで歩いていたい。



その日の夕日はいつもより特別綺麗だった気がした。