【美月、スポーツ祭実行委員、頑張ってね!】

【美月ちゃん、陽のことヨロシクね♪】



人生最大の嘘と共に歩んだ一学期。


その嘘を連れたまま、私は高校生活二度目の夏休みを迎えていた。


けれど、夏休みはスポーツ祭実行委員という大義に見る間に攫われて、初日の今日から早速学校へと向かってる。


相変わらず日傘の作った日陰に逃げ込み、信号待ちをしていた私の携帯電話に届いたのは、ミドリと刈谷くんからの陽気なメッセージだ。



【私は、早速海に行ってきまーす♪】

【俺は今から、海に行ってきまーす♪】



「……一緒に行くんじゃないよね?」



まるで示し合わせたかのような二人のメッセージに、思わず溜め息が零れた。