話をしようって思っていた絢斗くんからだった。

どきん、どきん、と音が鳴っている。

『あのさ』

どきん、どきん、という音がいっそう強くなって――



『別れよう』


その文字を見たとき、息苦しいほどの動悸がした。

その意味をわかっているのに、頭の中がわかりたくないって拒否をしている。

文字をみつめたまま固まっていた。

『どうして?』

そう打てたのは、10分以上たってからだった。

『別れたいから』

『なんで……』

『なんでも』

冷たい文面に喉の奥がひくりとした。

『別れて』

どうして、なんで。

聞いても理由を言わず、ただ送られてくるその文字が頭の中でぐるぐるする。



『ごめん』

わたしは画面を見てただひたすら泣いていた。