〈解説なし〉

真奈は最近、ある夢に悩んでいた。

それは、かくれんぼをしている夢。

場所はどこかの学校で、相手は見知らぬ女の子で、毎回真奈が隠れる側になる。そして、最後には必ず怪我をしてそこで目が覚めるのだが、その怪我が最初は擦り傷ぐらいだったのに、切り傷、捻挫、と段々ひどくなっていくのだ。

さらに昨日は、夢の最後に
「明日はあなたの家でかくれんぼしようね」
と、女の子に言われた。

気味が悪くなった真奈は、地元で有名な霊媒師のもとへ相談しに行った。

霊媒師によると、これはただの夢では無く、悪霊の仕業によるものだという。

この悪霊は、学校でかくれんぼをしている時に間違って理科室の薬品が足にかかり、足を失ってしまった少女の霊で、その少女はその後足から感染症にかかり亡くなったらしい。

そして、その少女は今でも足を求めてこの世をさまよっていて、真奈はその霊にターゲットにされてしまったのだ。

「いつも夢を見る時間帯は?」

そう聞かれた。
寝る時間は1時くらいで、いつも夢で目がさめる時間は3時くらい。
だから、その間の時間帯だと答えた。

「その霊は今日はあなたの家でかくれんぼをするつもりだ。その霊はあなたの家に現れるだろう。しかし、絶対に捕まってはダメ。本当に足を奪われてしまうよ」

霊媒師によれば、いつも夢を見るその時間帯、家のどこかに隠れてやり過ごせば、霊は諦めて帰っていく。そして、今後夢に現れることもなくなるという。


そしてその時間になり、真奈はベットの下に隠れた。




しかし、真奈は忘れていた。

この霊には足が無いということを。