トドロキさんがルナに謝ってる。
その言葉を聞いて、あれ…?と思った。


「あの…ルナを引き入れたのって…緒方さんじゃないの?」

二人の視線が私を見る。
それから申し合わせたように頷いた。

「違うよ」
「引っ張り込んだのはオレ!前日の合コンで、ルナちゃんと知り合いになってたから!」

自分を指さすトドロキさんを見て、ルナが医大生と合コンした…という話を思い出した。

「…私もね、部屋の中から轟君が出てきた時はビックリしたの!レイさんが漫画家してるって聞いた時は、更にビックリだったけど…!」

泣き止んだルナの声は、鼻にかかってたけど明るかった。
それを聞きながら、すごい勘違いをしてたんだ…と気づかされた。

「……私、てっきり緒方さんが引き入れたのかと思ってた……」

呟くように言うと、アラシさん達が声を揃えて…

「それだけは絶対にありえねーよ!」
「あの人、自分のテリトリー犯されるのが何より一番嫌いだから!」

「なぁ!」と笑い合ってる。
だったら私は、どうして引っ張り込まれたの……?

「…じゃあ、私…どうして家事をさせられてたの?……」

料理に洗濯、掃除に修羅場の後の片付けまで。
他にも礼生さんの代わりに読書したりDVD見せられたり、半端なく忙しかった。


「…リリィちゃんのこと、気に入ってたからじゃない?あの人、基本気に入った人しか部屋に入れないよ?」
「そうそう!だから、ルナちゃんは最初からお気に召してなかったってだけ!」