ケータイ小説 野いちご

はちみつ色の太陽

 



改めて自分で認めたら恥ずかしくなり、そんな自分を誤魔化すようにブラブラと両足を動かせば、履き慣れないスリッパの片方が床へと転げ落ちた。


確かにミドリの言う通り、一応上辺だけでも日下部くんと彼氏彼女にはなったのは事実だ。



――――とりあえず、しばらくは違和感のないように彼氏ってことにして、彼女である私のことを守ってください。



そんな私の提案に、日下部くんも「その方が俺も女からの呼び出しや、告白とか面倒事が減るかもしれないし、それもいいか」なんて。


結構な鬼畜発言をしながら、意外にも簡単に了承してくれた。


要するに、最終的には利害が一致したわけだ。


もちろん本当に付き合っているわけではないから、甘い関係からは程遠い。


それでもやっぱり、“付き合ってる”という言葉が慣れないせいでくすぐったくて。


……でも、まさか。大切な娘に初めて出来た彼氏が偽者だなんて、ウチのお父さんが聞いたら、泣いちゃうかもしれない。



 

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