私ってば意識すぎだよね……。
でも、仕方ないじゃん。
誰だって、あんな風に言われたら熱くなっちゃうよ。
拓磨くんはそういうことを普通に言っちゃうから、私の心臓もたないよ……。



ふと、横目で拓磨くんを見る。
すると視線がバッチリ絡まって、慌てて逸らす。



拓磨くんの方がやっぱりズルいよ。
私がこんなにドキドキしてるなんて、知らないんだろうなぁ。



って、これじゃ私が拓磨くんを好きみたいじゃん。
あーっ、もう、考えるのはやめたやめた!!!



ブレザーのポケットに手を入れて、カイロをそっと握る。



私は……一体いつまで、拓磨くんにウソをつき続けるんだろう。



拓磨くんと付き合い始めた頃に比べて、拓磨くんを知ってしまったから……余計に言い出せない。
これなら拓磨くんの優しさを知る前に、勇気を出して言っておけばよかった。



でも、心のどこかで拓磨くんのことを知ることができて嬉しく思ってるんだ。



拓磨くん、ごめんね。
もし、私が本当のことをつげたら、拓磨くんはどんな表情をするのかな。
笑い飛ばす?怒る?それとも悲しむ?
悲しむ、はありえないか……。


いつか絶対に言わなきゃいけない日がくる。



わかってるのに……イヤだなんて思ってしまうんだ。