そしたら傷付くのはまたあたしで。


今度こそ絶対に立ち直れなくなる。


もう男は信じないって決めたはずだったのに、バカみたいにまた信じようとしてたなんて。



「ごめん……あたし、帰るね」



「え?おい……待てよ」



「元カノの……そばにいてあげれば?久間君がどうしようと、あたしには関係ないし」



あたしはムリしてニコッと笑った。


別にもう関係ない。


だって、あたし達はカップルでもなんでもないただの友達なんだから。



「じゃあ、バイバイ」



あたしは交差点を右に向かって思いっきり走った。


振り返りたくない。


振り返って優しく肩を抱いてる姿を見ちゃったら、きっと涙が止まらなくなるだろうから。