『帰ろう』




俺は身体を離し、着ていた学ランを陽向の背中に掛けた。




『叶翔くん……』




頬を赤くして俺を見上げる陽向を、どうしようもなく愛おしく感じる。




……いつの間にか、こんなにも惹かれてたんだな……。




それから連絡先を交換した。




家に帰ってからも、ベッドの上に寝そべり、何度も 《飛鳥陽向》の文字を見つめてしまう。




そっと目を閉じると、あの笑顔が思い浮かぶ。




なんでだろう。




陽向が隣にいると


心が温かくなるんだ。




今まで孤独に生きていた自分が、消えていくかのように……。