二人がうまくいってたら、あたしは……。
笑って「おめでとう」なんて言えない。
今でさえ泣きそうなのに、笑うことなんて出来ないよ。
苦しい。
苦しくて、悲しくて。
心から応援することなんて出来るわけがない。
やっぱり、来なきゃ良かった。
今さら後悔でいっぱいになる。
ダメじゃん。
こんな顔してたら、キヨ君がまた心配する。
「あいつら、今から観覧車乗って適当に帰るって。俺らも観覧車に乗る?」
「あ……えっと。なんだか疲れちゃったし、そろそろ帰らない?」
キヨ君に心配させまいと、わたしはニコッと笑って見せた。
最後に観覧車って、すごくロマンチックなシチュエーション。
高野くんはもしかしたら、そこで大石さんに告白するのかもしれない。
そう思うと、観覧車になんて乗れるわけがなかった。
「そうだな……そろそろ帰ろっか」
「うん」
帰り道。
キヨ君が振ってくれる話題に、わたしは出来るだけ笑って答えた。
だけど、何を話したのかはまったく覚えていない。
二人のことが気になって仕方なかった。