聖夜さんは、私の体をそっと離した。



「ゴメン……」



私は、聖夜さんの言葉に何も言えず、首を左右に振るだけ。


聖夜さんは私の側を離れると、窓のところへ行き、閉められたカーテンを少しだけ開けて外を眺めていた。


少し開けられたカーテンの隙間から外が少しだけ見れる。


外は真っ暗で、今が夕方ではなく夜だとわかる。


聖夜さんは窓の外を眺めたままだった。


何をかんがえているのか、なぜ私を抱きしめたのか……。


私には何もわからなかった。


かだ、私も体に甘い香りと切ない温もりだけが残った……。