「あら〜、もう帰るの?」 追いかけて階段を下りようとすると、ニコニコ顔のお母さんの声が下から聞こえて足を止める。 「はい、奏太によろしくお願いします」 「ごめんねぇ、あの子お風呂長いから」 「いえいえ、ではまた」 ーーバタン 玄関のドアが閉まった音がして、久間君は帰って行った。 いったい、なんだったの……? 何しに来たの? 明日11時にモミジ公園って……。 それっていわゆる、デートってこと?