「ーーーまたね」






手をヒラヒラさせ、もう一回会えることを意図するような言葉を発する彼に、キュンと胸が鳴った。





「は、はい・・・!」





あたしも彼と同様、手をヒラヒラさせようか迷ったけど、無性に恥ずかしくなってしまい、ペコリと頭を下げる。




それを見て、彼は再びあたしに背を向け、歩き出した。




またね、がどこまで本当かはわからない。




もしかしたら、ただの気まぐれかもしれない。





でも、あたしには、また五十嵐くんと喋れるんだ、という期待で胸がいっぱいだった。