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一つの大きなマンションの前に車が止まった。

「ここだ。ここの最上階」


てか、最上階かよ。

なんとも遠い。


「……ん、このマンションって」

「あぁ、組の奴の親父が管理してるマンションだ。安心だろ」

なんか見たことあると思ったら、組の奴の……。


「誠は?どこに住んでるの?」



隣にいる誠に聞く。

「あぁ、俺は本家。」


なんで同じ学校通ってるのに私はマンションで誠は本家なんだよ。

「成さんが学校からは遠いから女の足じゃ無理だって言ってた」

なんだそれ。

私は女でもそこら辺の男よりは強いぞ。


それに学校へはバイクで行くつもりだ。


「バイクで通学ダメだって。」


誠が私の心を読み取ったかのように言った。

「なんで?」

「危ないから、らしい」

はぁ?

大丈夫だっての。

成さん、過保護じゃね?

私一応若頭補佐なんだけどな。