「じゃさ、もう一度最初にもどって考えてみよう」


「そもそも……」とケイちゃんは部屋の中をゆっくりと歩きながらまた推理を開始しだした。


まるでドラマなんかで見る探偵みたいだ。


「最初ナギは、カジ君にキスされたって思ったんだよね?」


「うん。だってあたしがここにいることを知ってるのはカジ君だけだったから……」


「うーん。ホントにそう?」


「へ?」




「他にも、知ってる人っていたんじゃないの? 例えば、カジ君が誰かにしゃべったとか。あるいは、ナギがここに入るのを誰かが見てたとか……」


そう言われて、あたしは昨夜のことを思い出す。


ここに来る前、誰かに会ったっけ?


――ん?


会った!

会ったよ!


「お兄さん!!」


あたしとケイちゃんは同時に叫んでいた。