真っ赤な顔のまま、アワアワしてると、カジ君が眉間に皺を寄せて聞いてきた。


「つか、ほんと大丈夫なの、お前?」


あたしは返事をするかわりにブンブンと首を縦に振った。


「そっか。寒くなかった?」


「うん。あ……タオルケット、ありがと……」


って、あああああ!

何言っちゃってんの!

自分から墓穴掘ってどうすんのよ!

バカバカバカ!

これじゃ、

『寝たふりしてました。

部屋に入ってきたのは、カジ君でしょ? 

キスしてきたのもカジ君でしょ?』

って、言ってるようなもんじゃない!!


うわぁ……どうしよう……。


「いやっ、あのっ……その……」


なんとか誤魔化す言葉を探していると、カジ君が涼しい顔してこう言った。



「ああ。あれ? ミサコに頼んだんだけど」


「へ? ミサコ先輩?」


キョトンとするあたしに、カジ君はニッコリ微笑んだ。


「うん、さすがに男が行くわけにはいかないかなって思って」


「へ? ええええええ?」


廊下にあたしの絶叫が響き渡った。

あれはミサコ先輩だったの?

ってことは……


女の子にキスされちゃったの、あたし?