「3時間か。なぁ愛梨、何してひまつぶ……っ!」


──『ムギュッ』


オレの右腕に両腕を絡める。


無骨なオレの右手を、愛梨の細長い左手の指が絡(からめ)とった。


「……ご褒美ってこれの……事?」


 頭もオレの胸板に寄せている気まぐれな猫が、声をあげずに小さく頷(うなず)いた。




 はぁ……。


 これって俗にいう、『ベタベタなカップル』だ。


 とりあえず、今は……何も考えたくない。


 『もうどうにでもなれ』と投げやりに思うオレに、天は何を与えてくれるのだろうか。


 勝って、二人を守る事はオレの指名だ。


 それ以上もそれ以下もない。




 必ず、生き延びる。