「はい……」
「龍ちゃん、今日は楽しかったね。もう秘密の相談は終わってお家に帰ったの?」
「ああ、さっき別れたよ。どうしたんだ? 明日は学校があるんだぞ」
「うん、なんだか寝られなくて……。なんだろう、慶二兄さんに会ったから興奮してるのかな、あたし」
違うな。
これは本心じゃない。
「なぁ、『秘密の相談』とか言ってたけどさ、どうしてオレと慶兄が一緒だったって知ってるんだよ。雷也に聞いたのか?」
「そう、聞いたよ」
問いかけに対する答えが早すぎる。
「寝られないなら雷也とそのまま連絡すればいいじゃん。オレは早朝のバイトもあるし寝るよ、んじゃ、おやすみ」
通話を切るボタンは、この赤いのでいいのか。
受話器を話してもハッキリ聞こえるのは、携帯が高性能なせいじゃない。
「待ってよ!! 龍ちゃんに話があるから連絡したんだよ! 勝手に解釈して終わらせないでよ」
「なんだよ、早く言えよ。明日早いんだって」
通話口の向こう側で、愛梨が一瞬だけ躊躇(ちゅうちょ)したのを感じた。
「龍ちゃん、今日は楽しかったね。もう秘密の相談は終わってお家に帰ったの?」
「ああ、さっき別れたよ。どうしたんだ? 明日は学校があるんだぞ」
「うん、なんだか寝られなくて……。なんだろう、慶二兄さんに会ったから興奮してるのかな、あたし」
違うな。
これは本心じゃない。
「なぁ、『秘密の相談』とか言ってたけどさ、どうしてオレと慶兄が一緒だったって知ってるんだよ。雷也に聞いたのか?」
「そう、聞いたよ」
問いかけに対する答えが早すぎる。
「寝られないなら雷也とそのまま連絡すればいいじゃん。オレは早朝のバイトもあるし寝るよ、んじゃ、おやすみ」
通話を切るボタンは、この赤いのでいいのか。
受話器を話してもハッキリ聞こえるのは、携帯が高性能なせいじゃない。
「待ってよ!! 龍ちゃんに話があるから連絡したんだよ! 勝手に解釈して終わらせないでよ」
「なんだよ、早く言えよ。明日早いんだって」
通話口の向こう側で、愛梨が一瞬だけ躊躇(ちゅうちょ)したのを感じた。