「入学して初めて崎本さんを見たとき、あぁ、好きだって思った。一目ぼれだったんだと思う」


「う、ウソ……」


「土曜日だって、崎本さんだから助けたんだ。崎本さんが好きだから……助けた」



私の頭の中は真っ白で、パニック状態だ。



ウソウソ!?
ということは桜田くんは私が好きになるよりももっと前から私のこと……?



「あ……え、と……も、もうパニックで……」


「あぁ、もうほんと崎本さんかわいすぎるってば」



桜田くんは余裕がなさそうにそう言って、さらに抱きしめる力を強めた。



「さ、さささ、桜田くんっ」


「俺の彼女になってくれる……?」



そんな真剣な顔で言われたら、頷くしかないじゃん。
もう、ほんと桜田くんはズルいよ。



「あ~~もう、大好き!崎本さん……いや、愛維ちゃんっ!」


「は、恥ずかしいよ、桜田くんっ」


「照れてる~!愛維ちゃんほんと可愛い……」



こうして私と柊くんの公認バカップルはうまれたのです。


柊くんと本当に出会えてよかった。
あのとき勇気を出してよかった。


今でもそう思うんだ。


柊くん、大好きだよ。



【今日、私は彼にチョコを渡します。*完】