でもそんな不安を安らげるように 聞き覚えのある声が聞こえてきた 「りん、おはよう。」 台所のようなところにいた人は 振り返り私を見て微笑んだ 優しいその顔、その声 間違えるはずがないその人 「おはよう、お父さん」 場所は違うけど お父さんはそこに存在していて ますます訳がわからなくなる どうしてお父さんは袴を着てるの? 会社は?スーツは? 次々と疑問が浮かんでは 消化しきれないまま頭をぐるぐる回る