「き……きゃーーーっ!!!」



どういうことっ!?


なんでなんでなんでっ!?


いつの間にっ!!??



「やだやだやだやだーーー!!!」



絶叫しながら部屋を3周くらいした後、そのまま流川に突っ込んだ私。


はずみで後ろにおもいっきり倒れる流川。



「怖い怖い怖いっ! 助けて流川っ! 取って! 幽霊取って!」


「おまっ、痛てーよ」


「早くっ! 取ってよぉぉっ」


「バカ。獲れるわけねーだろ。いないんだから」



…………。


こ、この……、ドS流川っ。



「お前、何回同じ手に騙されんだよ」



くくくく…と、流川のお腹が震えてる。


そういえば、あの夏もこの手に引っかかったような……



「もーーっ! なんでそんなイジワルするのっ」


「つい」


「ついって!」


「ま、そう怒んなよ」



私を上に乗っけたままで、流川の両手がほっぺを包んだ。


顔の前に垂れたサイドの髪を、耳にかけてくれながら。