「先生、もう行くの?」 「うん。」 「行かないでよ。」 お願い。嘘でもさ、行かないって言ってよ。 「ごめんな、茉妃流。」 「そっか…。」 私の目には大きい涙の粒があった。 「それぐらいで泣くなよ茉妃流。」 「な、泣いてないもん…。」 「俺、必ず戻ってくるから。」 「必ず、だよ?」 「あぁ。もう時間だから行くな。」 「りーくん、バイバイ」 先生は車にのり、行ってしまった。