蒼ちゃんの唇が耳に触れて、あたしは今までで一番体を震わせた。


「ひっ…………や、あっ…………」


耳の縁に、裏に、中に舌を滑らせて、あたしの耳を熱くさせた。


体の力が抜けていく。抵抗できない。


「蒼ちゃん……蒼ちゃん…………っ」


唇と舌で耳を攻められ続けた。胸が苦しい。体の奥が熱い。


どうしてこんなことになったのだろう。


きっとあたしが悪いのだ。今まで蒼ちゃんが好きだと認めてこなかったから。ずっと意地を張って、素直にならなかったツケが回ってきたのだ。


キスをされて嬉しいはずなのに悲しいのは、きっとそのせいだ。


再び唇を塞がれる。ふっと目の前が真っ白になって、あたしは何も考えられなくなった。