ふとした瞬間、歩くだけで膝が抜けるという後遺症がだんだんと良くなってきた頃には、仕事が終わる時間になってた。


俺にもう後はない。全力を尽くして駄目だったら……。


そう考えただけで胸がはち切れそうな痛みを感じる。


リンを失うなんて……、怖過ぎてその先が内一つ考えられない。


徹夜の疲労を何とか押し退け、背中に悲壮感を漂わせながら着替えを済ませた俺は、すぐにリンの元へと向かった。


会いたくて会いたくて、仕方ない唯一人の人。


恋しくて愛おしくて、片時も離れたくない人。


リンを失ったら、俺は一体どうなるんだろう……?