祐樹もロッカーに戻ると、鞄を取りすぐに会社を後にした。


いろんな話を聞いて動揺したけど、
外に出て空気を吸ったら少し落ち着いた。


『彼女がいるあなたは京子ちゃんとあまり仲良くしてほしくないの。』


そして落ち着くと、ふと陽子さんの言った言葉を思い出した。


そうか、陽子さんは俺が京子さんを好きやと思って、あんなこと言いに来たんやな?


俺が京子さんに惹かれてるの間違いない。
だとしたら俺はどうしたかったんや?
彼女と別れて付き合いたかったんか? 
それとも陽子さんの言う様に遊びたかったんか?


いや、それは違う! そんなことはない!


俺はその不倫相手みたいに京子さんを遊びの相手したかったわけじゃない!


その時、俺の脳裏に倉庫での出来事や、
いつも京子さんの姿を見ている自分が思い浮かんだ。


「・・・・・」


俺も、その不倫相手と変わらんかな・・・ 
俺も最低や・・・

京子さんのこと悪く言える立場じゃないわ・・・


♪♪♪♪♪


その時、祐樹の携帯が鳴った。


『祐樹、お疲れ様! 私は今から飲み会に行ってきま~す。』


メールは彼女からだった。


俺は内容を確認するとすぐに受信ボックス閉じ携帯を鞄に入れた。