両手を床に添え綺麗にお辞儀をすると、スッと仲居さんが部屋を出ていった。


やったー!これでやっとリンと二人っきりだー!


とりあえず浴衣の物色なんかを始めてみると、背後からリンの声がした。


「ねぇ、そこの雪男以外の何者でもない雪男。明日も雪降らせたらヤキだからね!」


ああ、あっさりアウトだったのか!この地獄耳め!


「は、はい、気をつけます……。って、そんな事より浴衣あるよ?着替えたら?」


「ん?浴衣?」


おー、食いついたぞ!ナイス俺!


「その前に今からお風呂行ってくるよ。混む前にゆっくり入っておかなきゃね!」


そう言ってさっさと身支度を整えると、浴衣を手にリンは大浴場へと行ってしまった。