「…へ…」






一瞬。言葉の意味が理解できなかった。






「ほら、花風さん行くよ」





い、今、”僕の彼女”って言った…?








「-っ」







いつ以来だろう。



島野の子の優しい笑顔が



私に向けられたのは。






「フッ、何泣いてんの。ほら」





島野は私の手を引いて歩き出す。






「ち、ちょっと島野!まだホームルームも始まってないよ!?」




「別に登校日くらい大丈夫でしょ」




「じゃあ何のために来たの!」




「花風さんに会うためだけど?」




「-っ…」










もう、ずるいよ。島野は…。









嬉しくても悲しくても、私を泣かせるんだから。