どうしよう、視界がにじんできた。


泣かないようにとぎゅっと目をつぶった時


「俺も」


彼はそう言って足をとめた。


え……、

今宮野くん俺もって言わなかった?


「あの、私は付き合うのが初めてで……」


「だから俺も。緊張してうまく話せねぇ」


耳を赤くしながら、こほんっとせき込む宮野君。


「うそ、うそだよ……!」


あんなにモテる宮野くんが誰とも付き合ったことないなんて

絶対ウソだ。



「ウソじゃねぇよ

告ったのもお前が初めてだし

好きになったのもお前が初めてで……」