「彼氏がいる事はわかっている。だけど、俺の事も考えて」

「ごめんなさい。私が今好きなのは彼だから」

「いつ結婚できるかわからないのに?」


そう言われると少し不安になるけど。


「そんな困った顔しないで」


そう言って、圭太は私の頬にそっと触れる。


「困らせているのは俺だけどさ」


圭太は苦笑いになる。


「でも、俺、本気だから。今はその彼と付き合ったばかりだし俺の入る隙なんてないだろうけど、でも、諦めないから」


結局、はっきりと断りきれないまま、その日は圭太と別れた――…