「………あ…おい?」




静かになった空間。




私から声を掛ければ、口が渇いていたらしくガラガラ声が出た。


いつも呼ぶ名前なのに、いつも一緒の人なのにこんなに緊張するのはなぜだろう?






「愛唯は、

なんで俺がずっと愛唯と一緒に居るのか、
高校も同じ場所にしたのか、
バスケ部に入ったのか、
彼女作らないのか

全然知らないでしょ?」





葵は掴んだままの私の腕をグッと寄せると、

そのまま身体をくっ付けて、もう片手を私の背中に回した。



私はスッポリと葵の身体の中へ閉じ込められた。







「全部全部、愛唯が好きだからだよ。


ずっとずっと好きだった。
好きだから傍に居たし、
好きだから自分の学力より下の学校へ来たし、
前にマンガ読みながら『こんなプレーできる人ってカッコイイ』って言ってたから、愛唯の代わりにバスケ部入って頑張ろうと思った」