「わたしたちを送ってくれるんだって。よかったね」

 わたしは心の中の葛藤など顔に出さずに、
 にっこりと微笑んだ。 

 OKしたとたん、
 彼らの表情が変わった。

 かすかに頬がゆるんで、安心したようなうれしい顔に。

 わたしにとっては賭けだった。吉と出るか凶と出るか
 分からないけれど。

 どうしても、どうしてもの時には、
 亮さんにご登場願おう。 


 男子達を一発で黙らせる最強のカード。


 使わないに限るけどもね。


 わたしは緋色と藤井と佐々田と四人で歩き出した。