指定されたレストランに着くと、勝俣と見たことのない人が窓の近くで座っている。
あの人が五月雨真琴という人だとすぐに分かった。

この時の勝俣は表の顔だ。
ニコニコと、良い大人を演じている。
あんたに敬語は似合わない、そう言ってやりたかった。


全てがどうでもいい。
とにかくここから離れたい、曽野宮君を探しに行きたい。


私は勝俣と五月雨真琴の話なんて聞いちゃいなかった、適当に話を合わせたりしたらその度に勝俣に睨まれた。


だけど驚いたのが五月雨真琴、この人の頭の回転はとてつもなく速かった。


少しでも勝俣の言動が矛盾するようならそこにすかさず割り込む。
あの勝俣さえ動揺を隠しきれていなかった。


でも結果的に五月雨真琴も今日44チャンネルを見ると言ってしまった。


結局、彼も死ぬ。
この人なら勝俣を止めることが出来るかもしれないと期待したのが間違いだった。


その後、私は今夜も倉庫に来るように命じられた。きっと五月雨真琴を殺す瞬間をまた見せつけたいんだろう。

どうでもいい、私は曽野宮君を探したいのに。