たくさん話しかけられるからなかなか作業が進まないけど、りっちゃんは怒ったりしない。


「こんな調子で大丈夫ですか?なんか私、役に立ってない気が……」


私が不安げに聞くと、りっちゃんはくしゃくしゃと私の頭を撫でながら優しく微笑む。


「陽菜ちゃんを雇ったのは掃除や洗濯のためだけじゃないの。患者さんやその家族の話し相手になって欲しいなって思ったから」


りっちゃんにそう言われて、すごく嬉しかった。

こんな私でも人の役に立てるんだって思うと、少しだけ自信が持てる。



すっかり夏を纏った日差しを浴びながら、私はシーツのシワをパンっと伸ばした。