「そうそう、リンダにも宜しくと言っていたよ、南君の事を厳しく鍛えてやってくれとね」

リンダは、ミルおじさんのその言葉を聞きながらはクッキーを一口齧り、ちょっと考えてから上目遣いに再びミルおじさんを見ました。

そして、昼間の事を包み隠さず話しました。あくまでリンダの感想ですが、彼には本当は別にやりたい事が有るんじゃ無いかって思った事を。

「ふむ、そんな事をね――」

ミルおじさんは、飲みかけのコーヒーカップを手に取ると、それを一口口に含み、暫く無言で何かを考え込みました。そしてリンダにこう切り出しました。

「確かに彼は若い。親が決めたレールの上では無く、自分の力で何かをやって見たいと思う事は珍しい事では無いじゃろう」

ミルおじさんはそう言ってからリンダに優しい視線を送ります。そして、こう尋ねました。

「リンダは将来どうしたいのかね?」

そう問われたリンダは自分で自分御事を指差して何の迷いも無くきっぱりと、こう答えました。

「あたしの夢は、勿論、この農場で今迄通り働く事。こんな楽しい事、止められる訳、無いじゃない」

ソファーから立ち上がらんばかりの勢いで彼女はそう答えました。でも、ミルおじさんは、更にこう尋ねました。