「"あのこと"は内緒なんだから、こういうことすんなって言っただろ?」



「だって、和希くんがお弁当忘れて行くから」



「忘れたんじゃない。置いて行ったんだ」



その冷たい目もかっこいい……。



「佐々木、聞いてる?」





──そう、私は彼に長い片想いをしている。


でも4年目にして、彼との間にできた大きな秘密は、私にとって大チャンスをもたらした。


その秘密ができたのは、今から半月前、この高校の入学式が翌日に迫った日のこと──……