でも服屋って週末忙しいみたいだし、邪魔しちゃ悪いから俺は俺の用事をね。


不純な動機なんてミジンコたりともないしさ。チョチョイと行ってガーッと帰ろう。


そこで思考の止まった俺は横座りのまま女のようにしならせた体を腕で支え、ぐったりと大きなため息をついた。


……リンは週末は忙しいから来るななんて言った事ないよな。本当なら夜いつでも俺は会いに行けるはずなんだ。


リンとの時間を最優先にしたいはずなのに。


徐々に、力ずくで蹴散らした罪悪感がゴーッと轟音を立て合体し始めた。


「……俺、会いたい人に会わないで、一体何してんだろ」


足の痺れと合体罪悪感のダメージで完全にしょんぼりした俺は、そのまま布団に包まって寝る事にした。


友達と飲みに行く事くらい誰だってあるし問題もないはずだと、自分に言い聞かせながら。