「此処を出よう。僕じゃない男に泣かされてるのに周りは僕に泣かされたと思われるのは不愉快だ。」







泣いてる私を雅巳君の細い身体で包み込まれるように肩を抱かれて店を出た。



雅巳君の優しさなのか、雅巳君が悪者になりたくない行動なのかはわからないが、



その行動に深く追及することも出来ない。



薬では落ち着けない。他の人に優しくされても何も感じない。辛いだけ、辛いだけ。







どうしてこんなに冷めない愛情。

忘れられる方法が死ぬ以外思い浮かばない。




「私を早く殺してよぉ……。」




泣くことも嫌になる。生きてることさえ嫌でたまらなくなるのだ。