オレが先に夏樹に出会っていたら、

何かが変わっていたのか?

・・・

それとも、

オレとの出会いが先でも、

夏樹の気持ちは巧のモノになっていた

かもしれない・・・

・・・

ベッドからそっと下りたオレは、

自分のコートを彼女に掛けてやった。

「・・ん・・たく・・み」

・・・

夢の中にまで、

巧が出てくるとは、

オレの中の嫉妬心が、

それを許すことができなかった。

・・・

眠る彼女の唇に、

まだ熱で熱い、自分の唇を重ねる。

・・・

夏樹は、無意識に、

そのキスを受け入れていた。

・・・

きっと、

オレを巧と間違えているんだろう・・

そう思っても、

キスを止める事は出来なかった。