和人は急に真面目な顔で私の顔を見つめた。
…なんだろ。

「何?」

「今日、燐ちゃんと飲み屋行くんだって?」

「そうだけど?燐一人で行かせられないじゃん。」

「『NOTT』に?二人で?」

「だから、それが何?」

和人は少し不機嫌そうに顔を顰める。
あ、分った。
和人、燐が好きなんだ?

「大丈夫だよ、燐は私が守るから。任せといて?」

和人は私の言葉にガクッとずっこける。
え、私、変な事言ったかな?

「燐ちゃんの心配とかしてねぇよ。俺が心配なのは、梓。お前だ。」

「はぁ?何で私なの?アンタ、燐のこと好きだからそんな真剣なんでしょ?」

私の言葉に和人は苦笑した。
…なんなのよ。
私は顔を顰める。苦笑されるのって嫌い。

「そうだよなぁ…。お前、小さい頃から天然だもんなぁ…。」

「うっさい。私は天然なんかじゃないから。」

天然?そんなわけないじゃない。
天然っていうのは、燐みたいなコの事言うのよ?

「…梓。お願いだから、変なホストには近づくなよ?」

「分ってるって。目立ちたくないもん。で、何で和人そこまでい心配してるの?」