また…会いたいな。


あの子と、もう少し話してみたい。


そんな想いを胸に抱いていた時、車体がカーブに入って少し揺れる。


次の瞬間、爪先に何かがコツンと当たった感覚がした。


ん?
なんだろ…。


視線を下に落とす。


目に映ったのは、見慣れた紺色の手帳だった。


あっ、生徒手帳だ…。


もしかして、さっきの女の子のものだろうか…?


バッグの中身、派手に散らばってたし…。


すぐに拾い上げた俺は、持ち主を確認するため、ゆっくりと手帳を開いた。