聖夜の事を考えてたら、いつの間にか時間が過ぎてお開きをする事になった。

「あずさちゃんケー番交換しよう?」
大輝ってヤツが話し掛けきた。
私はやんわり断った。
それでもヤツは諦めない。
「なんで?」
私も引かずに断る。
それでもしつこいので仕方なく赤外線で番号を交換する。
すると花菜が
「大輝くん、カッコいいよね。
いいなぁ。あずは。」
口を尖らせ私を見る。
いいなぁって言われても
私はこんなヤツ嫌いだし…
花菜も貰えばいいじゃん。
でも花菜は、自分から話し掛けようとしなかったので、仕方なく私が
「大輝くん。花菜も交換したいって」
するとヤツはニコニコしながら花菜の元に走って行く。


「ねぇ。あんた人に合わせつらくない?」
声のした方を見ると聖夜が立っていた。
「わ、私は別に…。」
すると彼は私の心を見透かすように私を見据えて
「あんたのその顔見てたら解るよ。
俺もそうだから…。」
彼は少し切なそうな顔をする。
なぜか私は彼から目が離せなくなった。
二人だけの世界に入ったようだった。

「あずっ。帰るよ!」
その言葉と共に二人は少しずつ離れていく。




それが、私と聖夜の出逢いだった。

…この時は、聖夜との出逢いが自分の人生に深く関わるものだとは思わなかった。