出会うたのは800年ほど前のことだっただろうか?

人の世は乱れに乱れ、渦巻く人の悪意に我々もののけも醜くなり果てていた。

神の力など遠く及ばず、世界が闇に支配される。

わしも醜く悪鬼どもと同じく人を喰ろうては、悪意を撒き散らしていた。


そんな中。

ある湖で返り血を洗い落した時だった。

まだ神気の残る湖だったが、それすら穢れてしまえばいい。


『猫又ごときが、身の程を知れ』


その湖は龍の住みかで、わしは文字通り『逆鱗』にふれてしまった。