彼は鼻で笑うと、雲を見つめた。
「修学旅行の打ち合わせで忙しかったのも理由だけど。
本当は違うんだ」
「......?」
「修学旅行の直前までお前といるとさ、二泊三日でも、お前不足で死ぬかと思ったんだよ。」
私はいきなり言われた言葉に、首を傾げる。
たぶん、旅行の前の無視?され続けたことへの謝罪だと思う。
でも...
二泊三日だけで...
私不足...........?
「ガキだろ?
一人で勝手に禁欲してたんだよ」
「なに、それ」
「それが、不安要素の一つになっているとも気づかずにな」
彼は私を抱きしめると、ブツブツと独り言。
私は何だか可笑しくって、肩を震わせて笑ってしまった。
「お前、馬鹿にしてんだろ!!」
「うん、ほんと馬鹿だね」
「ってめ!!」
彼は私のおでこに、自分のおでこを当てる。
キスをするより遠いのに、緊張する。