「作戦会議よ! みっつん!!」

千鶴は眼に涙を浮かべたまま、美津子の肩を抱いた。

「え? え?」

「無理やりでも聞き出すのよ! あおならボロが出るにゃ!」


泣いたり笑ったり怒ったり、忙しい千鶴に対して、まだ美津子は唖然としている。



「無理やりって……どうやって」

「だから作戦会議だって! てことでみっつんの家へゴー!」


ちょうど二人が立っている場所の向かいには美津子の家があった。

いつものように、勝手に上がり込む千鶴の背中を見ながら何か忘れているような気がして美津子は立ち止まった。



「あっ!!」



美津子の部屋は、今ちょうど漫画の作業中で原稿用紙が散乱していたのだ。