学校中に響くんじゃないかってくらいに思いきり叫んで、滝川くんの膝の上から勢いよく飛び降りた。



「もっと色気のある叫び方しろよ」



女の子らしくない声を出したあたしに、滝川くんがため息をつく。



だ、だれのせいだと思って……!



「なんか今、すげぇ叫び声聞こえたけど……どうかした?」



「ちょ、待ってくださいよ朝輝〔あさき〕先輩ー」



あたしが顔を手でおおい、グスグスと泣きべそをかきながらソファの横でうずくまっていると、ふたりの男子生徒が生徒会室に入ってきた。




「おい、乃愛」



滝川くんがあたしの顔をのぞき込んでくるのが分かる。



「もう……最悪っ」



いや、最悪なんてもんじゃない、それ以上!



滝川くんの膝に乗っているだけでなく、キスされそうになったところまで見られるなんて……。