「今日もダメか…」

はぁ。とため息をつきながら、姉滝をぐるっと回ってきたときだった。

「え…?」

誰かが倒れているのを見つけ、慌てて駆け寄る。

「大丈夫!?しっかり!?」

息はかすかにあるが、今にも死にそうな顔色をしている。

「え…?」

ぬるりとした感覚に、思わず昔のことを思い出す。
まさかと思い、手のひらをみてみると、手が真っ赤に染まっていた。

「まずい!救急車!」

慌てて携帯を取り出し、119番へ通報する。

「しっかり!大丈夫!?」

呼びかけるが返事が無い。


一体、何があったっていうの…?


辺りを見回していると、ふと、男性の傍の地面から、何かが出ているのが見えた。


…箱?