向こうも気まずいだろうとあえて顔を背け歩いて行った。

すると走ってくる足音が聞こえ振り返った。

ヒロだ。

私が仕事終わるのを待ち伏せしてたらしい。

普通、お客さんにこんな事されたらストーカーぽくて気持ち悪いし怖いだろう。

けどなぜかその時は嬉しかった。

何も言わずに手紙を渡し立ち去ろうとしたヒロに
思わず私は
もう帰るの?
と聞いた。

帰るよ。柚季ちゃんの家の近くまで送ったろか?

と言われ、いつも電車で帰るのが面倒臭さて嫌だった私はふたつ返事でOKした。