「話は変わるけど、余合は部活動はしないのか?」


「今のところは…」


友達ができて、一緒に部活動をするならともかく、1人で参加することは考えていない。


「そっか…」


蒼先生は、少しガッカリしたような声で言った。




私は、相変わらず寝転んだまま、蒼先生の方へ顔を向ける。


「何か、した方が良いのでしょうか?」


「無理に勧めるわけじゃないけど、クラスで友達できそうにもなかったら、部活動で友達作るっていうことも考えたらどうかと思ってね。

それに…」


「それに?」


「余合はもう少し男に対して免疫つけた方が良さそうだから、男子がいるところを勧めたいくらいだよ」


蒼先生、痛いトコ突くなぁ…。




「先生は…、部活動の顧問をされているのですか?」


「段位持ってるから、剣道部を任されているよ。

…やってみる?」


剣道?


…無理!


首を横に振る。


父に薙刀を教えてもらったことあるけど、たった3日でサジ投げられた身だ。


「余合に、竹刀なんて持たせないよ。

マネージャーで来てもらえるなら、みんな大歓迎するよ。

ただ、今のところは女子部員いないから…ダメかな?」




マネージャーかぁ…。


引き受けたら、蒼先生との距離が縮まるの…かな?



打算的な考えが、私の頭を過ぎる。