「まるで今の貴方のようですね…龍太郎さん…」

振り向く事なく、小岩井は焼却炉の前で独り言のように言う。

「……気づいてたのかよ」

物陰から、龍太郎が姿を現した。

稽古の為の空手着ではない、いつもの制服姿。

だがその眼は、ギラギラと輝いている。

天神学園に入学当初の、誰彼構わず喧嘩を売って、早く名を上げたいと考えていた頃の眼とそっくりだった。