**side風珱**

「そ、そんな悪いですよ!!」

天神さんと随分はなしたあと、隣の部屋にいった私は驚いた


いくらなんでも、局長の新見さんの部屋に泊めて貰うのは迷惑だろう


それでも、新見さんは笑顔を向けてくれた



「気にしないで?……俺は全然大丈夫だから」


それでも、なやむ私に、芹沢が口を開いた



「今日だけだといっているんじゃ……」



その言葉に渋々頷いた



芹沢はそれを見て立ち上がった


「土方には儂がいっておく、二人は先に帰っておれ……もう日も暮れよう」



日も暮れるって、もうそんな時間だったのですか




私と新見さんは、そのまま部屋を出ようとすると……


「ちょっとまて……これは、天神からじゃ……」


と言って、芹沢が綺麗な着物を差し出した



「これは、……私に?」


すると、芹沢はにやりと笑った


「友達の証しに貰ってくれといっておった」


友達の……証し



「ありがとうございます!」


私は、着物を受け取り笑顔で部屋をでた



友達の証しか……



私は零れ落ちる笑顔をそのままに、新見さんについていった